原稿が終わらないぜ!!!
あははは!!!
つづきからボカロ一家のお話です。
オチがない。
居間に集うは5人。
ちゃぶ台に置かれてある二千円札。
ステキなステキなメッセージカード付き。
【ハッピーハロウィン!楽しめよ(笑)】
「に、にせんえん」
「久しぶりに見たよね。二千円札」
「そんな事はどーでもいいわよ!」
「がくぽさんとグミさんも来るんだよね?」
「ルカ姐ぇも来るよ~」
シーンと静まり返った。
大体、8人も集まるのにこの金額はあり得ない。
「ダッツならみんなの買え」
「黙れ!バカイト!!」
「レンくん、酷い……」
閃いた考えは一喝されてしまった。
ドルチェモイケルノニ……。
「ミク、8人分だけど何とかなる?」
「う~ん……。家にある食材使って、千円もらえれば」
「仕方ないわね。じゃ、のこり千円はビール」
「めーちゃん!!!」
「ズルイ!!!」
「ダメ!!!」
さっさと二千円札を取り、買い出しに出掛けようとするメイコとミクに縋りついた。
「アイス!アイスも!!」
「うっさい!却下」
「ガーン」
「おねーちゃん、1つぐらい」
「ミク!甘やかすとろくな事が無いわよ!」
「あぅ。ゴメンね、お兄ちゃん」
困ったような曖昧な笑顔を浮かべるミクの背中を押しながらメイコがシッシと手を振る。
「アンタ達は飾りつけでもやってなさい」
そう言い残して、無常にもドアが閉まった。
うぅ、俺のアイス。
がくっと崩れた俺の背後で双子が呟いた。
「カイ兄ぃ、必死だね」
「うざっ」
なんと言われようが俺はアイスが食べたい!!
せっかくのハロウィンなのに!!
……待てよ?
ハロウィン、ハロウィン、ハロウィン!!!
「リンちゃん、レンくん」
「な~に?」
「なんだよ」
俺は最大級の笑顔で2人をみつめて、言った。
「お着替えしよっか?」
一瞬の沈黙の後にレンくんの膝蹴り、そして
「この変態ヤロー!!」
まったく、酷い誤解だよ。
俺はハロウィンの仮装をして、アイスを貰ってきて欲しかっただけなのに。
星がチカチカ、グルグル。
ばたんきゅ~。
それから誤解が解けるまで1週間。
俺はレンくんに変態レッテルを、ミクには哀しい目で見詰められる日々を過ごしたのでした。
兎にも角にもハッピーハロウィン♪