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私と旦那と相方そして愛犬ラケのヲタクな日常です。
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関東地方も久々の晴れ間がのぞいてメチャメチャ暑いです
このまま夜も晴れてるといいなぁ~!
一年に一度の逢瀬ですからね

さて、プチ小噺書きました!
今回は赤青です。
七夕のお話です。


365日のうちたったの1日。
会えるのはそのたったの1日だ。
しかも、天気の気まぐれで会えないかも知れない。
そんなの俺は納得できない。
織姫も彦星も、仕事投げだしてイチャコラしてたんだから罰うけるのは解るけど、
それでも365日でたったの1日だけ。
そんなの俺には────

「アカイト!」
「あ゛~?」
「さっきから何、ボーッとしてるの?手伝ってよ!」
「何を?」

ソファにだらっと寝転んだまま聞き返せば、呆れたような顔をしてカイトが手に持った笹を振った。

「七夕飾りだよ。マスターが帰ってくる前に準備しようって、昨日言ったでしょ?」
「はぁ……そういや、昨日言ってたな」
「そうだよ!だからゴロゴロしてないで手伝って!」
「解ったから笹を振り回すな!」

早くしないとマスターが帰ってとか何とかブツブツ言いながらカイトが笹を立てかける。
面倒だと思いながらも、危なっかしい手つきで作業を進めるカイトをそのままに出来なくて仕方なく立ち上がった。笹を固定するためにしゃがみ込んで悪戦苦闘していたから取りあえずその笹を支えてやった。急に軽くなったからなのかビクっとしてカイトが上を見上げる。一瞬驚いた顔をしたけど俺と眼が合うとふわっと微笑む。

「アカイト、ありがとう」
「……別に」

サッと瞳を動かして床を見つめる。
急にそんな顔するなんて卑怯だ。
ドクンと跳ね上がる音。
あぁ、マズイな。

「織姫と彦星、会えるといいね」

熱を意識しそうになったとき、カイトが小さく呟いた。

「何だって?」
「ん?」

聞き逃した俺は、視線を戻してカイトに問いかけた。
笹を床に固定し終わったのか立ち上がり、う~んと身体を伸ばすカイトがもう一度

「織姫と彦星が会えるといいねって言ったんだよ」
「あぁ……七夕の話しだろ?」
「そうだよ。1年に1日だけなんだから、会えるといいなって」

笑ってカイトは天窓を見上げた。
つられて俺も見上げる。
雲ひとつ無い綺麗な空だった。
このまま夜まで雲が出なければいい、雨が降らなければいいと思った。
365日で、たったの1日。
1日だけ。

「……イヤだ」

思わず呟いた俺の言葉に驚いたかの、カイトが俺を見つめている。
視線を感じながらも俺は空を見つめたまま続けた。

「1日しか会えねーなんて、ガマンできない」
「織姫と彦星だって、そうだよ。でも、それが罰だし、仕方が……」
「そんなの知るか!」

仕方が無いと続くだろう言葉を遮って声を上げた。
茜色から紺色へと変わり、小さな瞬きが見え始める。

「俺は、1年に1度なんてイヤだ。無理だ、ガマンできない。365日、毎日、会いたい」

空と同じ、青い瞳を見つめる。

「側にいたい」

一歩、カイトに近付く。

「触れたい」

手を握る。

「お前を、感じていたい」

ふるっと小さく震えた瞳に俺が映っている。
青の中に映る赤。
赤の中に映る青。
どこまでも続く夢幻回廊だ。

小さく唇が触れ合った瞬間、チャイムが鳴り響いた。

「帰ったぞ~~~~!!!俺様、帰宅!!」

ガクッと一気に力が抜ける。
見ればカイトがクスクスと笑っている。

「マスター帰ってきたね」
「アイツ……ホントKY」
「ま、僕達のマスターだしね」
「ハァ……」

「俺様!帰宅!!」

「聞こえてる!ちょっと待ってろ!!」

デカイ声を出し始めたマスターに仕方なく、玄関へと向かおうとした俺の腕を、カイトが引っ張る。

「何だ?」
「もし、僕達が、織姫と彦星だったらどうする?」
「……」
「1日しか……」
「会いに行く」
「……」
「さっきも言ったろ?俺は会いに行く。何があっても、必ず会いに行く」
「河、渡れないよ」
「何とかする」
「神様に怒られるよ」
「そんなのどーでもいい。俺がお前に会いたいから、他のヤツは知んねー」
「でも!」
「あー!もう!」

グシャグシャと頭を掻いた後、俺は唐突にカイトにキスをする。
強く強く、俺の気持ちが伝わるように。

「────ッ!これで解ったか!」
「な、なななななな」

唇を押さえてワタワタするカイト。
ニヤッと笑う俺。

「俺は1日だけなんてイヤだから、神様だろうーが何だろーが会いにいく!つか、攫っていく」
「えぇ!!!」
「365日どころか、24時間ずっと離さない。なら、攫った方が早い」
「えぇ!!!」

「お~れ~さ~ま~き~た~く~~~~~~!!」

マスターが痺れを切らしたのか、ジタバタと暴れる音が聞こえ始めた。
子供か、アイツは。

「ほら、行くぞ」
「うん。……アカイト」
「あ?」
「大好き」

ふわっと笑ってカイトが駆け出す。
だから、その顔は、卑怯だって……

さよなら、俺の理性





その後どうなったかはご想像にお任せします。(笑)


 

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